コラム

自由と銃とアメリカ史──憲法発祥、マグナ・カルタの地で考えた「銃所有」の意味

2023年09月04日(月)17時55分

アメリカ人の友人のこの考え方に、僕が賛同しているわけではない。全体的に見れば反対で、なぜならこうした銃社会のせいで、アメリカでは犯罪にしろ事故にしろ暴力が必然的に多発しているからだ。それでも僕は、修正第2条が単にアメリカの狂気を示しているわけではないこと、修正第2条の支持者が単に銃をぶっ放すのが大好きな狂人ではないことを理解することは重要だと思う。

 

そしてもちろん、ジョン王は武力に脅されてマグナ・カルタに署名させられた。その後に状況が変化すると、彼は合意を破棄しようとした。だからこそ後にマグナ・カルタが何度か改正される時には、ジョン王や王位継承者たちは皆、議論を通してではなく脅しを受けて改正を受け入れる羽目になった。

プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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