コラム

アメリカが「ロシア化」3つのパワーを解放し、世界をリードし続ける

2025年01月29日(水)14時38分

「現代の全領域の戦いでは民主主義陣営は不利なため衰退している。ならば敵陣営を乗っ取ればいい」、という発想をしたのかはわからないが、アメリカはテック・オリガルヒ、反主流派、グローバルサウスを取り込んで再び世界のリーダーとなりそうだ(単一ではなく中国などと並んで)。

ロシアを越えるロシアになることとも言える。


もともと反主流派は第一次トランプ政権時からトランプを支持してきた。

就任式にテック・オリガルヒであるX、Meta、Amazon、アップル、グーグル、TikTokのバイトダンスのCEOが揃い踏みし、グローバルサウスがトランプを歓迎したことで、アメリカは、形勢逆転のためのパワーを手にした。ロシア化は順調に進んでいる。

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トランプ政権は、反主流派に実質的な「選択的法執行」の特典を与え、テック・オリガルヒには規制緩和などの恩恵を与え、グローバルサウスには貿易や支援などの恩恵を与える。

「選択的法執行」とは、相手によって法の執行を行ったり、行わなかったりすることである。トランプは就任式の大統領令のひとつで、2021年1月6日トランプが落選した選挙を不正として連邦議事堂を襲撃して収監されている暴徒に恩赦を与えた。この暴動では死者まで出ていた。

プロフィール

一田和樹

複数のIT企業の経営にたずさわった後、2011年にカナダの永住権を取得しバンクーバーに移住。同時に小説家としてデビュー。リアルに起こり得るサイバー犯罪をテーマにした小説とネット世論操作に関する著作や評論を多数発表している。『原発サイバートラップ』(集英社)『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』(集英社)『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)『ネット世論操作とデジタル影響工作』(共著、原書房)など著作多数。X(旧ツイッター)。明治大学サイバーセキュリティ研究所客員研究員。新領域安全保障研究所。

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