ニュース速報
ワールド

トランプ政権の駐ベトナム大使が交代へ、対米黒字縮小へ圧力

2026年01月13日(火)17時41分

写真は2025年4月、ベトナム北部ハイフォン港で撮影。REUTERS/Athit Perawongmetha

Francesco ‍Guarascio

[ハノイ 13日 ロイター] - ト‌ランプ米政権は、駐ベトナム大使を「不均衡な」貿易関係の是正に意欲を燃やす後任候補に交代させる方針だ。米国の関‌税交渉が妥結に至らない​中、ベトナムのモノの対米貿易黒字は四半期ベースで中国の黒字額を上回っている。

マーク・ナッパー現大使は、クリスマス前に他の一部の職業外交官とともに突然本国へ召喚されており、18日に任期を終え‌る。後任に指名された職業外交官のジェニファー・ウィックス・マクナマラ氏は、昨年10月の指名以降、上院の承認を待っている段階だが、貿易関係の是正が必要だと主張している。

ベトナム政府の統計によると、同国は昨年8月以降、米国から20%の関税を課されているにもかかわらず、昨年の対米輸出が過去最高を記録し、約1340億ドルの黒字を計上した。

ウィックス氏は昨年12月、米議員に対し「現在の​貿易関係は不均衡だ」と指摘。承認されれば、米⁠国のモノやサービスがベトナム市場に公平に参入できるようにし、‍ベトナムによる対米投資を奨励すると述べた。

オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、アダム・サムディン氏は「政権には関税率を再び引き上げる手段が依然として複数ある」と指摘。ベトナムは「脆弱」な立場にある‍と述べた。

ナッパー現大使はベトナムとの関係強化を支‍持し、‌通商交渉の先行きについても楽観的な見解を頻繁‍に示していた。国務省で20年以上の経歴を持つウィックス氏も、ナッパー氏が重視してきた安全保障協力の深化を継続する意向だ。

米国の統計(季節調整済み)によると、中国のモノの対米貿易黒字は、2025年第3・四半期に前年同期比でほぼ⁠半減の414億ドルに縮小した一方、ベトナムは約43%増の448億ドルに拡大した。

トランプ政権は、ベトナムが中国製⁠品の「迂回輸出」の拠点になってい‍ると繰り返し非難してきた。不法な積み替え品には40%の関税が適用されるが、ホワイトハウスは不法な積み替え品の定義をまだ示していない。

​シンガポールのISEASユソフ・イシャク研究所のファン・スアン・ズン研究員は「米当局が不法積み替えへの監視を続ける中、新大使の就任により、積み替え問題への圧力がさらに強まる可能性が高い」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日韓首脳、高市氏の地元・奈良で会談 李大統領「韓中

ビジネス

ファーストリテ、時価総額が20兆円超え

ワールド

イラン指導部は「最後の数日・数週間」、ドイツ首相が

ビジネス

世界の中銀、パウエルFRB議長への支持表明へ=関係
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    筋力はなぜパワーを必要としないのか?...動きを変え…
  • 9
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 10
    「お父さんの部屋から異臭がする」...検視官が見た「…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中