ウクライナ、地中海で「影の船団」タンカー攻撃 ロシア産石油の遮断狙いか
[ロンドン 19日 ロイター] - ウクライナ保安庁(SBU)は19日、ロシア産石油取引に関与しているとみられる「影の船団」のタンカーを地中海で無人機(ドローン)によって攻撃したと明らかにした。ロシア産石油の輸送を遮断する狙いがあるとみられる。
SBU当局者は書面による声明で、タンカー「ケンディル号」はウクライナから2000キロ以上離れた公海上で、無人機による攻撃を受け、重大な損傷が生じたと述べた。無積載の状態だったという。攻撃時のタンカーの正確な位置や発生時刻には言及しなかった。
タンカーはオマーン船籍。船舶追跡サイト「マリントラフィック」のデータによると、タンカーはインドのシッカ港からバルト海沿岸にあるロシアの港に向け、リビア沖を航行していた。インドはロシア産石油の主要輸入国。
ウクライナは2024-25年にかけてロシアの石油精製施設を攻撃してきた。ここ数週間で範囲を拡大しており、カスピ海の石油掘削施設を攻撃したほか、黒海でタンカー3隻へのドローン攻撃を行ったと主張している。
ロシアのプーチン大統領はこれまでタンカーへの攻撃を海賊行為だと非難し、ウクライナの黒海へのアクセスを遮断すると警告しているが、今回の攻撃に関して新たなコメントは出ていない。
英海事リスク管理グループのバンガードは「対ロ制裁対象の石油輸出網に対して、ウクライナが無人機などの使用を大幅に拡大していることを示している」と指摘した。





