米とグリーンランド、「相互の尊重」を約束 米大使が初訪問
2025年3月29日、グリーンランドのヌークのビーチ近くに掲げられたグリーンランド国旗(2025年 ロイター/Leonhard Foeger)
[コペンハーゲン 8日 ロイター] - 新任のハウリー駐デンマーク米大使は8日、デンマーク自治領グリーンランドを初めて訪問し、自治政府のマッツフェルト外相らと会談した。双方は「相互に尊重し合う」ことを約束した。
米国とデンマークは長く同盟関係にあるが、トランプ氏がグリーンランドを取得する意欲を改めて示して以降、両国関係は緊迫化している。トランプ氏の意向には、グリーンランド住民も強く反発している。
ハウリー氏はグリーンランドの中心都市ヌークで開かれた米デンマーク合同委員会でマッツフェルト氏およびデンマーク政府代表者らと会談した。
同委員会は共同声明で「われわれは相互の尊重に基づく強固かつ未来志向の関係構築に万全を期すことを改めて確認した」と表明。「米国とグリーンランドは、安全で繁栄する北極地方を支える関係を、この勢いに乗じて向こう1年間にわたって構築して強化することを待ち望んでいる」と付け加えた。
マッツフェルト氏は8日、会談に先立ち、グリーンランドに関する米国側のこれまでの発言により地元住民の間で不確実性が生じたと指摘した上、開かれた姿勢で米国と対話する必要性を強調した。
グリーンランドの地元紙によると、マッツフェルト氏は「わが自治領と米国は共通の利害に基づき80年間にわたって協力してきた。われわれは良好な協力関係を継続できるよう、信頼を回復する必要がある」と述べた。
米政府は、欧州から北米へ向かう弾道ミサイルの最短経路がグリーンランドを通過するため、グリーンランドは米国の安全保障と早期警戒システムに極めて重要だと主張している。





