ニュース速報
ワールド

欧州「文明消滅の危機」、 EUは反民主的 トランプ政権が安保戦略で非難

2025年12月06日(土)05時31分

写真はトランプ米大統領。2025年9月23日、米ニューヨークで撮影。REUTERS/Al Drago

James Mackenzie Andrew Gray Lili Bayer

[ベルリン 5日 ロイター] - トランプ米政権は外交・安全保障分野の基本方針となる「国家安全保障戦略(NSS)」で、欧州は「文明の消滅」に直面しており、将来的には米国の信頼できる同盟国としての地位を失う可能性があるとの見解を示した。欧州を反民主主義的と非難する内容に、欧州では「ロシアのレトリックに似ている」と困惑が広がっている。

トランプ政権は5日までに新たな国家安全保障戦略をホワイトハウスのウェブサイトに掲載した。その中で、欧州連合(EU)は反民主主義的と非難し、米国の目標は「欧州が現在進んでいる軌道を修正すること」と明記。欧州各国政府は「民主的なプロセスの破壊」に関与しているとしたほか、ロシア・ウクライナ戦争の終結を求める欧州市民の声を妨げていると非難した。

さらに「長期的には、遅くとも数十年以内に、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一部で非欧州系(の住民)が多数派になる可能性が十分にある」と指摘。「そうなった場合、彼らが世界の中での自らの立場や、米国との同盟関係をNATO憲章に署名した者と同じように見なすか不透明だ」としたほか、EUが政治的自由や主権を損ない、言論の自由に対する検閲を行い、政治的反対勢力を抑圧しているとも非難した。

トランプ大統領は前書きで、今回の国家安全保障戦略は「米国が人類史上最も偉大で成功した国家であり続けるための道筋」と位置づけている。

一部の欧州の元高官は、今回の内容はトランプ政権が伝統的な同盟国に対しこれまで示してきた敵対的な姿勢の中でも際立っているとし、「衝撃的」と指摘。ただ、EUのほか、現職の欧州指導者の多くは今のところコメントを控えている。トランプ大統領を刺激することを避ける狙いがあるとみられる。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英中銀のグリーン委員、インフレ圧力を依然懸念

ワールド

デンマーク首相、NATO事務総長と北極圏の安全保障

ワールド

イラン、核施設査察に条件提示 6月の攻撃巡りIAE

ワールド

中国、国連専門家の声明に反発 ウイグル強制労働疑惑
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 2
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレアアース規制で資金が流れ込む3社とは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 8
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 9
    コンビニで働く外国人は「超優秀」...他国と比べて優…
  • 10
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 10
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中