プーチン氏、インドに燃料安定供給を確約 モディ首相と貿易・防衛協力拡大で合意
写真は会談前に握手するロシアのプーチン大統領とインドのモディ首相。12月5日、ニューデリーで撮影。REUTERS/Adnan Abidi
Shivam Patel YP Rajesh
[ニューデリー 5日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領とインドのモディ首相は5日、ニューデリーで会談し、原油や防衛などの分野を超えて貿易を拡大、多様化することで合意した。欧米がウクライナ侵攻を巡り対ロシア制裁を強化する中、プーチン氏はインドへの燃料供給が途切れないようにすると確約。両国は首脳会談を受け、防衛関係の再構築などを盛り込んだ共同声明を発表した。
プーチン氏は国賓として4日から2日間の日程でインドを訪問。ウクライナ全面侵攻開始以降では初めての訪印で、モディ首相は赤いカーペットが敷かれた空港でプーチン氏を抱擁で出迎えた。
モディ首相はこの日の会談の冒頭、プーチン氏に「インドは中立ではなく、平和の立場を取っている。平和のためのあらゆる取り組みを支持し、平和のために行われるすべてのイニシアチブに肩を並べて協力する」と述べた。
プーチン氏は、紛争解決に向けた取り組みに謝意を表明。「私たちは、ウクライナ情勢で何が起きているかについて詳しく説明する機会を得た――そして、その機会を与えてくれたのはあなただ。また、米国を含む他のパートナーと共同で、この危機を平和的解決に向けて講じている措置についても話した」と述べた。
さらに「両国と経済の成長に伴い、協力の機会も広がっている」とし「新たな分野としてハイテクや航空、宇宙、人工知能での共同事業が浮上している。軍事技術協力の分野では非常に信頼関係が構築されており、これら全ての分野で前進する考えだ」と語った。
インドとロシアは旧ソ連時代からの友好国。モディ氏は会談後の共同記者会見で、両国の長年の関係を「道しるべの星」と表現し、「相互の尊重と深い信頼に基づくこの関係は常に時の試練に耐えてきた」と語った。その上で、両国が2030年までの経済協力プログラムで合意したと明らかにし、これにより両国の貿易と投資は一段と多様化し、均衡が取れ、持続可能なものになると述べた。
プーチン氏は、ロシアによるインドへの燃料供給が途切れることがないことを確実にすると述べ、米国の制裁に対抗する姿勢を示唆。インド最大の原子力発電所となるクダンクラム原子力発電所の建設プロジェクトが進行中であることにも言及した。
両首脳は会談後に共同声明を発表。「現在の複雑で不確実な地政学的状況においても、ロシアとインドの関係は外部からの圧力に耐え得る強靱さを保っている」としたほか、両国の防衛関係を再構築するとした。
ただ、プーチン氏が表明したインドへの途切れのない燃料供給について、インド外務次官は慎重な姿勢を表明。インドのエネルギー企業は「変化する市場動向」や「調達時に直面する商業上の課題」に基づいて判断すると述べ、制裁措置による圧力がある可能性を示唆した。
米シンクタンク、アトランティック・カウンシルの上級研究員マイケル・クーゲルマン氏は米誌「フォーリン・ポリシー」に掲載された論文で「インドはジレンマに直面している」と指摘。「ロシアか米国のいずれと関係強化に向けた措置を取れば、インドはもう一方との関係が悪化するリスクを負うことになる」と述べた。
<大規模代表団同行>
プーチン氏の今回の訪印には大規模な企業関係者と政府関係者から成る代表団が同行。インドからロシアへの就労移転支援のほか、ロシアでの合弁肥料工場の設立、農業・医療・海運分野での協力強化など多岐にわたる合意が署名された。
両国は防衛分野の協力を再構築することでも合意。ロシア製兵器や軍装備の整備に必要な部品などのインド国内での共同生産などを進める。
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