米議員に「麻薬船」攻撃動画公開、混乱する乗組員の様子映る=関係筋
Phil Stewart
[ワシントン 5日 ロイター] - 米軍が9月2日にカリブ海で「麻薬運搬船」に対して最初の攻撃を行った際の動画が米議員に4日公開され、関係筋2人がロイターに内容を証言した。
攻撃は11人の乗組員の頭上で傘のように爆発するエアバースト弾で始まり、煙が晴れると、爆発を生き延びた2人の男性が船の前部の切断された部分にしがみついている姿が映っていたという。
彼らはシャツを着ておらず、丸腰で、目に見える形で通信機器も持っていなかったほか、何が自分たちを襲ったのか分かっていないようだった。
関係筋によると、当時、統合特殊作戦司令部のトップだったフランク・ブラッドリー海軍大将は、残骸は中にコカインがあるために浮いている可能性が高く、回収するのに十分な時間漂流することができると結論づけた。任務を完遂し、麻薬船の脅威を無力化するためには再び船を攻撃する必要があると判断したという。
同筋は、動画には損傷した船に向けてさらに3発の弾薬が発射される様子が映っていたと明らかにした。
動画を見た議員の反応は党派によって分かれ、民主党は苦痛を感じたとする一方、共和党は合法的な攻撃だと擁護した。
これは米国への違法薬物流入を食い止めるというトランプ政権のキャンペーンの一環として、米軍が実施した22件の麻薬船攻撃の最初のものだった。これらの攻撃で87人が死亡し、4日には太平洋東部で1件実施された。
国防総省の戦争法マニュアルは、拒否すべき「明らかに違法な」命令の例として、難破船の生存者への発砲を挙げている。





