イタリア会計検査院、メッシナ海峡大橋の建設計画認めず 日本企業も参画
10月29日、イタリアの会計検査院は、政府が進めている南部シチリア島と本土を結ぶつり橋「メッシナ海峡大橋」の建設計画を認めない判断を下した。写真はメッシーナ海峡の海岸線。8月5日、メッシーナで撮影(2025年 ロイター/Yara Nardi)
Angelo Amante
[ローマ 29日 ロイター] - イタリアの会計検査院は29日、政府が進めている南部シチリア島と本土を結ぶつり橋「メッシナ海峡大橋」の建設計画を認めない判断を下した。135億ユーロ(157億ドル)の同プロジェクトは実現が危ぶまれている。
会計検査院はこの日の公聴会後に短い声明で審査結果を発表した。詳細な理由を30日以内に公表する。
検査官は、欧州連合(EU)競争法への適否や2005年の入札時点で建設費がわずか38億ユーロと見積もられていたことを疑問視。検査官のカルメラ・ミラベラ氏は「審査は非常に厳格だ。というのも、この計画には公的資金が使われるからだ。十分な資金を確保した上で事業を開始し、後になって中断して損失を生じさせるようなことがあってはならない」と述べた。
一方、メローニ首相は、会計検査院の判断は政府の業務に対する「耐え難い干渉」だと非難し、計画を承認しなかったのは政治的な意図によるものだとの見方を示した。
サルビーニ副首相兼インフラ・運輸相はこの野心的な構想を「必ず前進させる」と決意を示したが、具体策には触れなかった。
メッシナ海峡大橋を巡っては、必要性がなく環境を破壊すると計画に反対する声がある一方、シチリアとカラブリアという国内で最も貧しい2つの地域の経済発展につながると期待する向きもある。建設事業には日本のIHIも加わっている。





