ロシア、国有企業による株式購入認める 市場支援で
ロシア財務省は29日までに、原子力企業ロスアトムやロシア鉄道といった国有企業に対し、余剰資金を利用して株式や債券を市場で購入することを認めた。写真はロシア中央銀行本部に掲げられたロシア国旗。7月撮影(2025年 ロイター/Evgenia Novozhenina)
[モスクワ 29日 ロイター] - ロシア財務省は29日までに、原子力企業ロスアトムやロシア鉄道といった国有企業に対し、余剰資金を利用して株式や債券を市場で購入することを認めた。米国の追加経済制裁を受け、株式市場を支援する措置とみられる。
モスクワ取引所(MOEX)のデータによると、株価指数は年初来で12.5%下落。高金利に伴って銀行預金の妙味が増したほか、西側の制裁措置による圧力が要因とされる。
ロシアの株式市場はウクライナ侵攻後の海外勢の資金流出に伴い、個人投資家が主導。MOEX自体も西側の制裁対象となっている。
プーチン大統領は2024年、株式市場の時価総額を国内総生産(GDP)比で27%から66%に引き上げるよう当局に指示した。ただ企業側は市場が薄過ぎるとして、上場に消極的だった。
アナリストは今回の措置が株式による企業の資金調達を後押しする可能性を指摘したものの、短期的には銀行預金に依然妙味があるとの見方も示した。
証券会社IFKソリッドのアナリストはリポートで「ロシアの(金融)市場にとって待望の展開だ。長期的には個人投資家に対するスマートマネー(機関投資家など)の優位が回復する可能性がある」と分析した。





