米と薬価格引き上げに合意なら製薬会社に投資拡大要請＝英財務相

リーブス英財務相は１６日、英国が米国との関税交渉の一環として医薬品価格の引き上げに合意する場合、製薬会社に対英投資の拡大を求めると述べた。９月２６日、ロンドンで撮影（２０２５年　ロイター/Jack Taylor）

David Milliken

[ワシントン １６日 ロイター] - リーブス英財務相は１６日、英国が米国との関税交渉の一環として医薬品価格の引き上げに合意する場合、製薬会社に対英投資の拡大を求めると述べた。米首都ワシントンで開かれている２０カ国・地域（Ｇ２０）財務相・中央銀行総裁会議などの傍ら取材に応じた。

リーブス氏は「われわれは英国を製薬業界にとって魅力的な場所にしなければならないし、その中には価格設定も含まれる。ただ、その見返りとして英国への投資をさらに拡大してほしい」と述べた。

米国との交渉については「われわれはこれまでに関税引き下げ交渉を非常にうまく進めてきた。もちろん、同じことを医薬品分野でも実現したいと考えている。ただし、今は交渉の真っ最中だ」と説明した。

英米両国は医薬品価格について交渉中で、英国は米国との通商協議で医薬品関税について優遇措置を求めている。

リーブス氏は、英政府が医薬品関税引き下げの交渉で製薬業界や米国と非常に緊密な関係を持ちつつ協議を進めていると説明。英国民医療制度（ＮＨＳ）による低価格での医薬品購入など、製薬業界の懸念に理解を示した。

また、中国がレアアース（稀土類）関連技術の輸出規制を強化したことにも言及。「間違った決定だ」と批判するととももにカナダや米国が重要鉱物の供給安全保障を強化する取り組みを進めていることを歓迎し、「このような輸出規制は世界経済にとって危険だ」と懸念を示した。