ニュース速報
ワールド

プーチン氏、核軍縮合意巡り米けん制 延長にも前向き

2025年10月11日(土)02時21分

ロシアのプーチン大統領は10日、首脳会議出席のため訪問中のタジキスタンで記者団に対し、来年2月に期限を迎える米ロ間の核軍縮合意「新戦略兵器削減条約(新START)」を延長するかどうかを巡り「米国が延長を不要と判断しても、ロシアにとって大きな問題ではない」と強気の姿勢を示し、米国側をけん制した。同日撮影の提供写真(2025年 ロイター/Sputnik/Grigory Sysoev/Pool via REUTERS)

[モスクワ 10日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は10日、首脳会議出席のため訪問中のタジキスタンで記者団に対し、来年2月に期限を迎える米ロ間の核軍縮合意「新戦略兵器削減条約(新START)」を延長するかどうかを巡り「米国が延長を不要と判断しても、ロシアにとって大きな問題ではない」と強気の姿勢を示し、米国側をけん制した。核兵器の開発や実験を継続する意向も明らかにした。

ただ、世界最大の核兵器保有国である2国間の軍縮合意が消滅すれば、戦略兵器の抑止力が失われることになり、残念だと言及。「新START条約を少なくとも1年間延長することは、良い考えだ」と延長に前向きな姿勢も示した。

ロシアは、米国に同様の意思があれば、新START条約で定められた核弾頭制限を自主的に延長する用意があると表明している。米政権はこれまでのところ正式に同意していない。

プーチン氏は軍拡競争が進行しているとし、他国が核実験を実施する可能性に言及し、他国が実施すればロシアも行うと述べている。安全保障の専門家は、いずれかの国が核実験を実施すれば、連鎖反応的に他の核保有国も追随する可能性があると指摘。そうなれば、地政学的緊張をさらに高める恐れがある。

プーチン氏は核実験に関して「検討している国があり、準備を始めている国もある。だからこそ、他国が実施すればロシアも同様に行う」と主張。安全保障の観点ではプラスだが、軍拡競争を抑えるという点ではマイナスになるとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

雇用支援に向け利下げ余地、インフレ警戒も必要=米セ

ビジネス

米ミシガン大消費者信頼感、10月速報値ほぼ横ばい 

ワールド

大手銀、G7通貨連動のステーブルコイン構想 三菱U

ワールド

トランプ氏、ガザ巡る首脳会議を計画 エジプト訪問中
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 2
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル賞の部門はどれ?
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    あなたは何型に当てはまる?「5つの睡眠タイプ」で記…
  • 5
    史上最大級の航空ミステリー、太平洋上で消息を絶っ…
  • 6
    いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う…
  • 7
    森でクマに襲われた60歳男性が死亡...現場映像に戦慄…
  • 8
    底知れぬエジプトの「可能性」を日本が引き出す理由─…
  • 9
    2026年W杯で、サッカーファンの怒り爆発...「ファン…
  • 10
    米、ガザ戦争などの財政負担が300億ドルを突破──突出…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 4
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 5
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 6
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 7
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 8
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中