米CDC所長代行、3種混合ワクチンの分離接種要請 製薬会社は異議

10月6日、米疾病対策センター(CDC)の所長代行を務めるジム・オニール厚生副長官は、麻疹(はしか)・おたふくかぜ・風疹の3種(MMR)混合ワクチンを分離するよう求めたが、ワクチンメーカーの米製薬大手メルクは、分割して接種することの有効性を示す科学的証拠がないとして即座に反論した。アトランタのCDC本部で8月撮影(2025年 ロイター/Alyssa Pointer)
Mariam Sunny Julie Steenhuysen Michael Erman
[6日 ロイター] - 米疾病対策センター(CDC)の所長代行を務めるジム・オニール厚生副長官は6日、麻疹(はしか)・おたふくかぜ・風疹の3種(MMR)混合ワクチンを分離するよう求めたが、ワクチンメーカーの米製薬大手メルクは、分割して接種することの有効性を示す科学的証拠がないとして即座に反論した。
これに先立ってCDCは6日、新型コロナウイルスワクチンへの幅広い推奨を撤回し、ケネディ厚生長官が自ら選んだ委員からなる諮問委員会の勧告に従って、医療提供者と相談の上で下した決定に基づき接種すべきとの見解を示した。
その後オニール氏がXへの投稿で、ワクチンメーカー各社に対し、MMR混合ワクチンに代わる3種類別々のワクチンを開発するよう要請した。
トランプ大統領は9月23日にホワイトハウスで開かれた記者会見で妊婦と幼児の親らに医療アドバイスを行い、一般的なワクチンは同時に接種すべきではない、あるいは子どもがとても幼い時期に接種すべきでないと繰り返し述べるとともに、医学会の助言に反して解熱鎮静剤「タイレノール」を使用しないよう促した。
ケネディ氏は厚生長官就任前からワクチンに反対する運動を展開しており、ワクチンと自閉症を関連付けて米国の予防接種政策の書き換えを目指している。
自閉症の原因は不明。自閉症とワクチンや医薬品、あるいはワクチンに含まれる有機化合物のチメロサールやホルムアルデヒドとの関連性を示す厳密な研究は存在しない。自閉症の発症率が上昇する一方、ワクチン接種率は低下している。