マスク氏への1兆ドル報酬計画、投資家と州当局が反対票呼び掛け

米電気自動車(EV)大手テスラの株主グループが11月に予定される年次株主総会で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO、写真)に対する1兆ドル規模の報酬パッケージに反対票を投じるよう株主たちに呼び掛けている。2022年3月、ドイツのグリューンハイデで撮影(2025年 ロイター/Patrick Pleul)
[2日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラの株主グループが11月に予定される年次株主総会で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対する1兆ドル規模の報酬パッケージに反対票を投じるよう株主たちに呼び掛けている。規制当局に2日提出された書類で明らかになった。
このグループはSOCインベストメント・グループのほか、ネバダ州やニューメキシコ州、コネティカット州の財務官など複数の州当局者が含まれている。テスラ株主に宛てた書簡では、取締役のアイラ・エーレンプレイス氏、ジョー・ゲビア氏、キャスリーン・ウィルソントンプソン氏の再任に反対することも求めた。
グループは取締役会がマスク氏を引き留めようと「執拗に求めている」とし、昨年の年次株主総会で設定された主要目標の進展が遅れていると批判。また、業務上および財務上の業績が低下しており、経営陣に対する実質的でリアルタイムな監督ができていないと指摘した。
テスラの取締役会は先月、過去最大の企業報酬パッケージとされるマスク氏への報酬計画を提案した。野心的な業績目標を掲げ、マスク氏のテスラに対する支配権強化の要求に応える狙いがある。
テスラは2日に四半期として過去最高の納車台数を報告したにもかかわらず、米国の電気自動車(EV)税額控除の終了によって、購入ラッシュが急速に減速することが懸念されている。
テスラは2日、X(旧ツイッター)の投稿でこの書簡に反論し、今回の成果連動型報酬制度がマスク氏の報酬を「数兆ドル規模の」株主価値の創出と結び付ける計画だとした。「もしイーロン・マスク氏が成果を出せなければ、彼は何も受け取れない」と述べた。