アブダビ国営石油主導連合、豪サントスへの187億ドル買収案撤回

９月１７日、アブダビ国営石油会社（ＡＤＮＯＣ）は、主導していた豪ガス生産大手サントスに対する１８７億ドル規模の買収提案を取り下げた。写真は同社のロボット式給油アーム。２０２４年５月、アブダビで撮影（２０２５年　ロイター/Nabila Eltigi）

Yousef Saba　Scott Murdoch

[ドバイ／シドニー １７日 ロイター] - アブダビ国営石油会社（ＡＤＮＯＣ）は、主導していた豪ガス生産大手サントスに対する１８７億ドル規模の買収提案を取り下げた。評価額や条件面で数カ月にわたり交渉していた。

ＡＤＮＯＣの海外部門ＸＲＧは、アブダビ・デベロップメント・ホールディング・カンパニー（ＡＤＱ）とプライベートエクイティ（ＰＥ）のカーライルと共同でサントス買収に乗り出していた。

今回で３度目の買収失敗となる。サントスは２０１８年にＰＥに支援されたハーバー・エナジーからの１０８億ドルの買収提案を拒否し、昨年は豪同業ウッドサイド・エナジーとの交渉から撤退した。

ＭＳＴマーキーのエネルギー担当シニアアナリスト、ソウル・カボニック氏は「市場はこの後、サントスのバリュエーションについて質問するだろう。ＸＲＧは他の買い手よりも価格に神経質ではなかったが、それでもうまくいかなかった」と述べた。

サントスによると、ＡＤＮＯＣ率いる国際コンソーシアム（企業連合）は国内ガス開発・供給を約束するなど、リスクの公平な分担に同意することを拒否したという。

ＸＲＧは今回の決定はあらゆる商業的要素を考慮した上で下されたと説明。同コンソーシアムはオーストラリアのエネルギー生産に新たな長期的コミットメントを行い、地域のエネルギー安全保障を強化する用意があるとも表明した。