NATO、東部全域で防衛強化 ロシア無人機のポーランド領空侵犯受け

北大西洋条約機構(NATO)はロシアのドローン(無人機)がポーランドの領空を侵犯したことを受け、欧州東部の防衛態勢を強化する。写真はルッテNATO事務総長。ブリュッセルで12日撮影(2025年 ロイター/Omar Havana)
[ブリュッセル 12日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は12日、ロシアのドローン(無人機)がポーランドの領空を侵犯したことを受け、ロシアに近い欧州東部で防衛態勢を強化すると表明した。
ルッテ氏はブリュッセルのNATO本部で NATO欧州連合軍のグリンケウィッチ最高司令官と共に記者会見し、「NATOとして領土防衛への決意と能力を明確に示さねばならない」とし、「この軍事作戦は数日内に開始され、デンマーク、フランス、英国、ドイツなどの加盟国が多様な装備を投入する」と述べた。
グリンケウィッチ最高司令官によると、今回の措置は北部のバルト三国から南部のルーマニア、ブルガリアに至るNATOの東側全域の防衛力を強化するための「柔軟かつ統合的」な作戦。ただ、NATOは新たに投入される兵力の規模について具体的に明らかにしなかった。
ルッテ氏は、今回の領空侵犯の意図についてNATOはなお検証を進めているとしながらも、意図的であったか否かにかかわらず、ロシアの行動は「無謀で容認できない」と非難した。
ロシアは領空侵犯が発生した際ロシア軍はポーランドに隣接するウクライナを攻撃中で、ポーランド国内の標的を意図していたわけではないと主張。これに対しポーランドは領空侵犯は意図的だったとの見方を示している。