欧州委員長、対イスラエル制裁を提案へ

9月10日、欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、イスラエルの強硬派閣僚に対する制裁を提案する方針を示した。ストラスブールで撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長は10日、イスラエルの強硬派閣僚に対する制裁を提案する方針を示した。イスラエルとの連合協定の一部停止も提案する。貿易分野を対象とする。
同委員長は欧州議会の演説で「ガザで起きていることは世界の良心を揺さぶっている」と発言。EU内の見解の相違を認めつつ、委員会としてできる限りのことを行うと表明した。
EU外交部門が7月に作成した文書によると、連合協定の貿易に関する規定を停止した場合、イスラエル製品に対する貿易優遇措置が撤回される。イスラエルにとってEUは最大の貿易相手。
規定の停止には、EU加盟27カ国中15カ国以上、かつ加盟国の人口の65%以上の賛成が必要になる。イスラエルとガザを巡っては加盟国の見解が分かれており、この基準を満たすのは困難だ。
同委員長はまた、イスラエルへの二者間支援を一時停止すると述べたが、イスラエルの市民社会やホロコースト記念センター「ヤド・バシェム」との協力は影響を受けないとした。
外交筋によると、鍵を握るドイツは現時点で懐疑的な見方を示している。
同委員長は、欧州委員会が来月「パレスチナ・ドナー・グループ」を立ち上げ、ガザ復興などを支援する方針も示した。