ニュース速報
ワールド

国連、ガザでの飢餓拡大阻止の猶予「急速に狭まっている」と警告

2025年09月08日(月)07時40分

 9月7日、国連人道問題・緊急援助責任者のトム・フレッチャー氏は、パレスチナ自治区ガザでの飢餓について「(中部の)デイルアルバラや(南部の)カーン・ユーニスに拡大するのを防ぐためのわずかな猶予期間が9月末までにあるが、(拡大を阻止するための)猶予は今まさに急速に狭まっている」と警告し、イスラム組織ハマスと戦闘を繰り広げているイスラエルに対してこれらの地域への支援物資輸送を認めるように要求した。写真は、イスラエルの空爆で住宅が被弾し、煙と炎が上がる様子。9月7日、ガザ市で撮影(2025年 ロイター/Khamis Al-Rifi)

Alexander Cornwell Nidal al-Mughrabi Michelle Nichols

[エルサレム/カイロ/ニューヨーク 7日 ロイター] - 国連人道問題・緊急援助責任者のトム・フレッチャー氏は7日、パレスチナ自治区ガザでの飢餓について「(中部の)デイルアルバラや(南部の)カーン・ユーニスに拡大するのを防ぐためのわずかな猶予期間が9月末までにあるが、(拡大を阻止するための)猶予は今まさに急速に狭まっている」と警告し、イスラム組織ハマスと戦闘を繰り広げているイスラエルに対してこれらの地域への支援物資輸送を認めるように要求した。

飢餓の状況を監視する国連機関「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」によると、ガザ最大の都市ガザ市を含む地域では既に数十万人のパレスチナ人が飢餓に直面しているか、その危険にさらされている。イスラエルはガザ市でハマスに対する新たな攻撃に乗り出した。

3月から5月中旬までの11週間にわたってガザへの支援物資の輸送を停止したイスラエルは、食糧不足を防ぐためにガザへの支援物資の搬入と配布をより積極的に取り組んでいると主張している。しかし国際機関は、はるかに多くの支援が必要だと指摘している。

イスラエル軍の援助調整機関COGATは7日、過去1週間に1900台を超えるトラックが食糧を中心とする支援物資をガザで配給したと発表。その上で「ガザへの民間人向けの人道支援物資の搬入は続けるが、ハマス向けではない」と訴えた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

焦点:中国株、信用買いが過去最大に 相場不安定化で

ワールド

ポーランド格付け見通し、財政リスク増大で「ネガティ

ワールド

スーチー氏の健康状態悪化か、次男が緊急医療処置求め

ビジネス

欧州自動車メーカー、メルセデス以外は排出目標達成見
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給与は「最低賃金の3分の1」以下、未払いも
  • 3
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接近する「超巨大生物」の姿に恐怖と驚きの声「手を仕舞って!」
  • 4
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 5
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 6
    コスプレを生んだ日本と海外の文化相互作用
  • 7
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 8
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 9
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 10
    「日本語のクチコミは信じるな」...豪ワーホリ「悪徳…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 10
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中