英副首相、税過少支払い問題で辞任 スターマー政権に打撃

英国のレイナー副首相（４５）は５日、住居購入に際し税金が過少申告となっていた問題で過失を認め、辞任した。ロンドンで３月撮影（２０２５年　ロイター/Hannah McKay）

［バーミンガム　５日　ロイター］ - 英国のレイナー副首相（４５）は５日、住居購入に際し税金が過少申告となっていた問題で過失を認め、辞任した。与党労働党の副党首も退いた。スターマー政権での閣僚級の辞任は８人目。これまでで最も重い役職からの辞任となり、支持率低下に悩むスターマー首相にとって、大きな打撃となる。

問題について調べていた英独立調査委員は、レイナー氏が専門家の助言を求めるようにとの忠告に従わず、正しい税額を支払わなかったとし、政治家の行動が公務の基準を満たすことを確保する規範に言及し「規範違反があったと判断する」と結論付けた。レイナー氏は首相宛ての書簡で「専門的な税務上の助言を改めて求めなかった判断を、深く後悔している」と表明した。

労働者階級出身で、１０代で母親となったレイナー氏は、労働党内の左派と中道派の調停役を担い、幅広い支持を誇っていた。スターマー氏はレイナー氏を「信頼できる同僚であり真の友人だ」と評し、政権から失うのは残念だと述べた。

労働党は世論調査で変革を掲げる政党「リフォームＵＫ」などに支持率で後れをとっている。労働党は、寄付者から高価な品目を受け取ったことに批判を受けており、党のイメージ回復を目指す一方、歳出や税制を巡る課題に直面している。