ニュース速報
ワールド

中国が軍事パレードで新兵器披露、抑止力のメッセージか=専門家

2025年09月03日(水)18時00分

 中国は3日に行った過去最大規模の軍事パレードで、改良されたほぼ全世界に届く核武装ミサイルから、防空レーザー、極超音速兵器、近海に密集させる可能性のある海上ドローン(無人機)まで、抑止力の幅広いメッセージを送った。写真は行進する人民解放軍。9月3日、北京で撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)

Greg Torode

[シンガポール 3日 ロイター] - 中国は3日に行った過去最大規模の軍事パレードで、改良されたほぼ全世界に届く核武装ミサイルから、防空レーザー、極超音速兵器、近海に密集させる可能性のある海上ドローン(無人機)まで、抑止力の幅広いメッセージを送った。

中国は今回初めて、射程2万キロの大陸間弾道ミサイル「東風(DF)5C」や新型の道路移動型長距離ミサイル「東風61」など、陸・海・空から展開可能な三元核兵器すべてを展示した。

戦略レベルだけでなく、中国軍は近海を支配する決意も示した。

シンガポールのS・ラジャラトナム国際研究院の中国防衛問題研究者ジェームズ・チャー氏は公開された新兵器について、中国軍が米国との潜在的な衝突においていかに近海をコントロールできるようにしようと決意しているかを浮き彫りにしたと述べた。

「(海上)ドローンとミサイルを組み合わせることで、有事の際に外部の海軍が介入することさえできないような領域をつくり出すことができる」と指摘。具体的には、魚雷型の新型ドローンと、陸・海・空から発射可能な極超音速兵器の数々は米国とそのパートナーにとって深刻な脅威となり、特にグアムなどの艦船や基地を標的にできる中距離弾道ミサイル「東風26」の数が増えていることと合わせればなおさらだという。

アナリストらは、中国が台湾を巡る紛争で成功を収めるには南シナ海と東シナ海の制海権を効果的に確保する必要があると指摘している。

新たに編成された航空宇宙、サイバースペース、情報支援ユニットも披露され、宇宙空間や電子戦の領域に対する意欲も示された。

シンガポールを拠点とする安全保障アナリストのアレクサンダー・ニール氏は「西側の軍隊はまだ作戦面で優位に立っているかもしれないが、中国が急速に追いついていることを示そうとしているのは間違いない」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英財務相、11月26日に年次予算発表 財政を「厳し

ワールド

金総書記、韓国国会議長と握手 中国の抗日戦勝記念式

ワールド

イスラエル軍、ガザ市で作戦継続 人口密集地に兵力投

ビジネス

トルコ8月CPI、前年比+32.95%に鈍化 予想
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 4
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 5
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 6
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 7
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中