イスラエルのガザ全域軍事支配、国連「即時中止を」

国連のトゥルク人権高等弁務官(写真)は8日、イスラエル政府が計画するパレスチナ自治区ガザ全域の軍事支配について、死者と苦しみが増えるだけであり、直ちに中止すべきだとの声明を発表した。1月撮影(2025年 ロイター/Yamam Al Shaar/File Photo)
[ロンドン 8日 ロイター] - 国連のトゥルク人権高等弁務官は8日、イスラエル政府が計画するパレスチナ自治区ガザ全域の軍事支配について、死者と苦しみが増えるだけであり、直ちに中止すべきだとの声明を発表した。
トゥルク氏はイスラエルの計画について、できる限り速やかに占領を終わらせる必要があるとの国際司法裁判所(ICJ)の判断や、「2国家解決」の実現、パレスチナ人の民族自決権に反するものだと主張した。
イスラエルの治安閣議は8日、ガザ市を制圧する計画を承認した。これに先立ち、ネタニヤフ首相は7日、ガザ地区全域を軍事支配する意向を示していた。
トゥルク氏は「これまでのあらゆる証拠を踏まえると、このさらなるエスカレーションは、これまで以上の大規模な強制移動、さらなる殺害、耐え難い苦痛、無意味な破壊、残虐行為につながるだろう」と主張。
「イスラエル政府は戦争を激化させるのではなく、完全かつ妨げのない人道支援の流入を許可し、ガザ民間人の命を守るために全力を尽くすべきだ。また、パレスチナの武装勢力は、人質を直ちに無条件で解放しなければならない」と訴えた。