メキシコ中銀が0.25%利下げ、ペース鈍化 金利は3年ぶり低水準

メキシコ中央銀行は7日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、3年ぶりの低水準となる7.75%とした。2024年4月撮影(2025年 ロイター/Henry Romero)
Brendan O'Boyle
[メキシコ市 7日 ロイター] - メキシコ中央銀行は7日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、3年ぶりの低水準となる7.75%とした。
6月の前回理事会で、中銀は50bpの4回連続利下げの後、利下げ幅を縮小することを示唆していたため、大方の予想通りとなった。
ヒース副総裁が唯一反対し、金利を従来の8.0%に据え置くことを支持した。
中銀は景気低迷と貿易摩擦や地政学的動向に伴う不確実性の中、インフレを抑制する一方で景気を下支えしようとしている。
中銀は声明で、理事会の決定は「為替レートの動き、経済活動の弱さ、世界的な貿易政策の変更による影響の可能性を考慮した」と述べた。
今後の会合で金利変更を検討すると言及したものの、過去の声明で見られたような将来の利下げを示唆する具体的な文言は盛り込まれなかった。
ヒース副総裁は2会合連続で金利据え置きを支持した。同氏は6月の会合で、景気停滞の見通しだけでインフレが自然に鈍化すると期待するのは「非現実的」だとし、利下げに慎重な姿勢を示していた。
メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)が7日発表した7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.51%に鈍化し、2020年末以来の低水準となった。
ただ、変動の大きい項目を除いたコア指数は4.23%と中銀の公式目標を上回った。中銀はインフレ率目標を3%プラスマイナス1%ポイントに設定している。
中銀は7日の声明で、第3・四半期の総合インフレ率の平均予想を従来の4.1%から3.8%に引き下げた。一方、コアインフレ率の予想は3.8%から4.1%に引き上げた。
バンコ・ベースの分析責任者ガブリエラ・シラー氏はこれについて「最近のインフレ鈍化が変動の大きい項目によると認めるもので、総合インフレ率の上振れリスクを意味する」と指摘した。