ニュース速報
ワールド

米、年内のヒズボラ武装解除とイスラエル撤退計画を提案=レバノン内閣文書

2025年08月08日(金)03時13分

ロイターが確認したレバノン内閣の議案文書によると、米国はレバノンに対し、2025年末までに親イラン武装組織ヒズボラを武装解除するほか、レバノンにおけるイスラエルの軍事作戦の終了とレバノン南部の5地点からの軍撤退など4段階の計画を提示している。二輪車に乗りながらヒズボラの旗を掲げる男性たち。ベイルート南部郊外で2024年11月撮影(2025年 ロイター/Thaier Al-Sudani)

[ベイルート 7日 ロイター] - ロイターが確認したレバノン内閣の議案文書によると、米国はレバノンに対し、2025年末までに親イラン武装組織ヒズボラを武装解除するほか、レバノンにおけるイスラエルの軍事作戦の終了とレバノン南部の5地点からの軍撤退など4段階の計画を提示している。計画はバラック米特使が提出し、レバノン内閣会議で7日議論されている。

武装解除を求める声が高まっているにもかかわらず、ヒズボラは拒否してきた。23年10月にイスラエル軍とイスラム組織ハマスによるパレスチナ自治区ガザの戦闘が始まった直後から、ヒズボラはハマスに連帯する形でイスラエル軍と交戦。イスラエルは昨年、ヒズボラに大きな打撃を与えた。

米国の提案は、24年11月のイスラエルとレバノンの停戦合意を「延長し、安定させる」ことを目指している。提案で「空爆や越境作戦など、イスラエルが停戦合意に違反しているとの訴えが増え、脆弱な現状の崩壊を招くリスクが高まっている」との認識を示した。

計画の第1段階では、レバノン政府が15日以内に、25年末までのヒズボラの完全武装解除を確約する法令を発することが求められる。イスラエルも地空海の軍事作戦を停止する。

第2段階では、武装解除の目標を明記し、レバノンは60日以内に武装解除の実施を始める。イスラエルはレバノン南部から撤退を始め、拘束者を釈放する。

第3段階で、90日以内にイスラエルが最後の2つの駐留地から撤退。再建に向けたインフラ整備などの資金を確保する。

第4段階で、120日以内にヒズボラのミサイルやドローンなど残る武器が武装解除される。この段階で米、サウジアラビア、フランス、カタールなどはレバノン経済と再建を支援する経済会議を開く。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、次期FRB議長最有力候補に

ワールド

FRB理事にミランCEA委員長、任期来年1月末まで

ワールド

メキシコ中銀、政策金利0.25%引き下げ 3年ぶり

ワールド

米、イラン巡り18の団体・個人に制裁 制裁回避を支
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの母子に遭遇したハイカーが見せた「完璧な対応」映像にネット騒然
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 5
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 6
    経済制裁下でもロシア富豪はますます肥え太っていた…
  • 7
    バーボンの本場にウイスキー不況、トランプ関税がと…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    【クイズ】1位は中国で圧倒的...世界で2番目に「超高…
  • 10
    大学院博士課程を「フリーター生産工場」にしていい…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 8
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中