トルコ経由のイラク産原油輸出、間もなく再開と石油相 業界筋は否定

イラクのアブドルガニ副首相兼石油相は6日、トルコのジェイハン港を経由したイラク・クルド人自治区の原油輸出が、同日か7日に再開するとの見通しを示した。写真は2014年2月、ジェイハン港で撮影(2025年 ロイター/Umit Bektas)
Ahmed Tolba Nerijus Adomaitis Anna Hirtenstein
[カイロ 6日 ロイター] - イラクのアブドルガニ副首相兼石油相は6日、トルコのジェイハン港を経由したイラク・クルド人自治区の原油輸出が、同日か7日に再開するとの見通しを示した。イラク国営通信INAが伝えた。ただ、業界筋4人は6日、輸出再開は差し迫ってはいないと述べた。
クルド人自治区キルクークとトルコのジェイハン港を結ぶパイプラインは2023年から稼働を停止している。これは、クルド人自治区政府(KRG)が2014年から18年にかけて石油を無許可で輸出したことに対し、トルコがイラクに15億ドルの損害賠償金を支払うよう命じる仲裁裁定が下ったのを受けた措置。トルコは控訴している。
アブドルガニ氏は、パイプライン経由の原油輸出再開でKRGと合意に達したと説明。イラク国営石油販売会社(SOMO)を通じてジェイハン港経由で日量8万バレルが輸出されると述べた。パイプラインはかつて、KRGの日量37万バレルを含むイラク産原油、日量約45万バレルを輸送していた。
これに対し、4人の業界筋は、クルド人自治区で事業展開している複数の国際石油企業が、イラク政府との間でまだ合意に至っていないと明かした。
イラク政府とKRGは先月、パイプライン再開で合意したが、産油企業が輸出再開のハードルとして残っている。企業側はパイプラインの稼働停止に伴う損失の賠償を求めている。