カナダもパレスチナ国家承認の意向表明、イスラエルに一段の圧力

7月30日、カナダのカーニー首相は9月の国連総会でパレスチナを国家承認する意向を表明した。写真は破壊されがガザの街並み。イスラエル側から28日撮影(2025年 ロイター/Amir Cohen)
[オタワ/エルサレム 30日 ロイター] - カナダのカーニー首相は30日、9月の国連総会でパレスチナを国家承認する意向を表明した。パレスチナ自治区ガザで飢餓が広がる中、イスラエルへの圧力を強めた。
マクロン仏大統領は24日、9月国連総会でパレスチナ国家を承認する意向を表明。スターマー英首相も29日、飢餓が深刻化しているガザの状況についてイスラエルが対応しなければ、9月総会でパレスチナを国家として承認する用意があると述べた。
カーニー氏は記者団に対し、ガザの人々の飢餓など、現地の現実は「パレスチナ国家の展望が文字通り目の前で後退している」ことを意味すると指摘。
その上で「カナダは、イスラエル政府がガザでの大惨事を許していることを非難する」と述べた。
一方、パレスチナ自治政府が統治体制の抜本的改革や、2026年にイスラム組織ハマス抜きで総選挙を実施することなどを含む改革にコミットすることが前提だとも述べた。
これに対し、イスラエル外務省は声明で「カナダ政府の方針転換はハマスを資するもので、パレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放の枠組み実現に向けた取り組みを損なう」と反発した。
ホワイトハウスのある高官は、トランプ米大統領もパレスチナ国家を承認することは「ハマスへの報酬」と捉え、間違っていると考えていると述べた。