シンガポール、テロの脅威「依然高い」 内務省報告書
Xinghui Kok
[シンガポール 29日 ロイター] - シンガポール内務省は29日、国内のテロの脅威が依然として高いとの報告書を公表した。背景にはイスラエル・パレスチナ紛争や「過激な思想の浸透が続いている」ことがあるとしている。
現時点で差し迫った攻撃を示す情報はないものの、過激派組織「イスラム国」(IS) がガザの紛争や国内の不満に乗じて、武装闘争を正当化する宣伝活動を強化しているという。
報告書によると、2023年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲攻撃以降、シンガポール人6人が同紛争を理由に武装闘争を支持したり、武装闘争への参加を準備していた。
報告書はシンガポールが「西側諸国やイスラエルとの友好関係や、象徴的な建造物の存在」などを背景に「テロリストや過激派から引き続き魅力的かつ正当な標的とみなされている」と分析。
特にインターネットを利用する若者の間で自己過激化が見られることが大きな脅威だとしている。
直近ではモスクへの銃撃やISへの参加を計画していた10代の2人に、裁判なしで長期間容疑者を拘束できる「国内治安維持法」が適用された。
また、人工知能(AI)がテロを助長する技術として台頭しつつあるとし「プロパガンダの生成・翻訳、説得力のある合成マルチメディアの制作、個人向けにカスタマイズした勧誘メッセージの大量作成、攻撃の計画・実行」にAIが使われているとしている。