EU、対ロ制裁の一部解除検討 オーストリア銀の賠償対応で=関係筋

10月3日、 欧州連合(EU)が、オーストリアの銀行ライファイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)がロシアから科された賠償を補償するために、ロシアの新興富豪オレグ・デリパスカ氏関連資産に対する制裁の解除を検討している。写真は同銀のロゴ。2022年5月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ベルリン 3日 ロイター] - 欧州連合(EU)はオーストリアの銀行ライファイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)がロシアから科された賠償を補償するために、ロシアの新興富豪オレグ・デリパスカ氏関連資産に対する制裁の解除を検討している。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道内容をEU筋が確認した。
EU筋によれば、オーストリアは現在審議中の対ロシア制裁第19弾にこのような条項を盛り込むよう主張している。
ロシアの裁判所は、デリパスカ氏が以前所有していた会社が起こした訴訟でライファイゼンに罰金20億ユーロ(23億ドル)の支払いを命じた。また、以前デリパスカ氏が一部所有していたオーストリアの建設会社ストラバグ株式20億ユーロ相当をライファイゼンが引き継ぐことで、その罰金を賄えるとも述べた。ライファイゼンはEU制裁のため、こうした対応ができないでいる。
いくつかのEU加盟国は3日のEU大使級会合で議論されるオーストリア案に強く批判的だ。外交官によれば、同日中に決定が下されるのか、それとも来週になるのかは分からないという。
ある外交筋は「良い対応ではないだろう。ライファイゼンはロシアから撤退する予定だったが、ドイツとオーストリアの支援のおかげで撤退しなかったからだ。ロシアマネーが好きだから残ったのだ」と指摘。「問題はかなりシンプルだ。ロシアルーブルが好きな企業は、それ自体がトラブルになる」と語った。
ライファイゼンはコメントを避けた。欧州委員会からはコメントを得られていない。