EUと米、中国製品に対抗し輸入金属製品の相互割引制度を導入へ

欧州連合(EU)欧州委員会のセフコビッチ委員(通商担当)は28日の記者会見で、EUと米国が互いの輸入金属製品に対する関税の割引制度を導入する方針を発表した。写真は7月28日、 ベルギーのブリュッセルで撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ブリュッセル 28日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のセフコビッチ委員(通商担当)は28日の記者会見で、EUと米国が互いの輸入金属製品に対する関税の割引制度を導入する方針を発表した。中国メーカーが政府から補助金を受けて鉄鋼やアルミニウムなどを生産し世界市場で優位に立っている影響の軽減を目指す。EUと米国が合意した貿易協定の一環となり、セフコビッチ氏は「私はこれを金属同盟と呼びたい」と語った。
セフコビッチ氏は、貿易協定に関する米国との長時間の協議で、米国とEUの鉄鋼業界がともに中国製品との競合という問題を抱えていることを認識したと紹介。対策として、トランプ米大統領が輸入する鉄鋼とアルミに50%の関税を課すとしていた計画に代わり、双方が輸入する金属製品の関税を最小限または免除する割引制度を採用する方向になったと説明した。
セフコビッチ氏は「この合意は鉄鋼やアルミ、銅、およびそれらの派生製品に関する共同行動の明確な展望だ」と自賛し、「歴史的な水準の関税割当と優遇措置を通じ、それぞれの経済を効果的に保護する共同の防護壁を構築する」と訴えた。