原油先物は続伸、米EU貿易合意や米中関税戦争休止延長の可能性が支援

7月29日、 アジア時間の原油先物は続伸。米・欧州連合(EU)貿易合意を受けた経済活動改善への期待や、米中の貿易戦争休止が延長される可能性、トランプ米大統領による対ロシア制裁発動までの期限短縮などに支援されている。カナダ・アルバータ州の油田施設で2014年7月撮影(2025年 ロイター/Todd Korol)
Anjana Anil
[29日 ロイター] - アジア時間の原油先物は続伸。米・欧州連合(EU)貿易合意を受けた経済活動改善への期待や、米中の貿易戦争休止が延長される可能性、トランプ米大統領による対ロシア制裁発動までの期限短縮などに支援されている。
0000GMT(日本時間午前9時)時点で、北海ブレント先物は0.24ドル(0.34%)高の1バレル=70.28ドル、米WTI先物は0.22ドル(0.33%)高の66.93ドル。
前日はともに2%超上昇し、ブレントは一時7月18日以来の高値を付けた。
米国とEUの貿易協定はEUの大半の製品に15%の輸入関税を課すものの、世界貿易のほぼ3分の1に波及して燃料需要見通しの悪化につながっていたであろう本格的な貿易戦争を回避した。
原油価格は米中間の貿易戦争休止が延長される可能性に関するニュースにも支えられている。米中の閣僚は28日にスウェーデンのストックホルムで5時間以上にわたり協議を行った。協議は29日に再開される見込みだ。
また、トランプ氏は28日、ロシアが50日以内に和平合意に応じなければ制裁を科すと表明していたことについて、この期限を10─12日に短縮すると述べ、ウクライナに侵攻しているロシアに対する圧力を強めた。
ANZのコモディティー(商品)担当シニアストラテジスト、ダニエル・ハインズ氏は「トランプ氏の発言を受け、ロシア産石油のフローが影響を受けるという懸念が再燃した」と指摘した。