第2四半期の米スマホ市場は低成長、インド製出荷急増 米中貿易戦争背景に=調査

調査会社カナリスが28日に公表したデータによると、第2・四半期の米国のスマートフォン市場の成長はわずか1%にとどまった。写真は米独立記念日恒例の花火大会で携帯電話を手にする人々。ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Ken Cedeno)
[28日 ロイター] - 調査会社カナリスが28日に公表したデータによると、第2・四半期の米国のスマートフォン市場の成長はわずか1%にとどまった。トランプ米政権による中国に対する関税措置の影響を回避するため、製造拠点を中国から他のアジア諸国にシフトさせる動きが強まる中、インド製スマホの出荷が急増した。
カナリスのシニアアナリスト、ルナール・ビョルホブデ氏は、関税を巡る懸念から販売業者が在庫を前倒しで積み増していたものの、「厳しさを増す経済環境における需要低迷」が重しになったと述べた。出荷と実際の販売の差が拡大しているとも指摘した。
米スマ市場の出荷台数に占める中国で組み立てられたスマホの割合は、第2・四半期は25%と、前年同期の61%から大幅に縮小。
一方、インド製スマホは前年同期比240%急増。カナリスのチーフアナリスト、サンヤム・チャウラシア氏は「インドは同四半期に初めて米国で販売されるスマホの主要製造拠点になった」と指摘。米中間の不透明な貿易環境を背景に、アップルがサプライチェーンのインドへのシフトを加速させたことが主因だとした。
アップルは米国向け全「iPhone(アイフォーン)」の組み立てを、2026年末までにインドに移すことを計画していると、関係筋が4月、ロイターに明らかにしている。