防衛費増額要求「日本が決めるべき」と石破首相 参院選へ党首討論会

7月2日 石破茂首相(写真)は2日、都内の日本記者クラブで開かれた党首討論会で、米トランプ政権の政策について、日本の国益を損なうものに妥協することはないと発言した。写真は2日、都内の日本記者クラブで代表撮影(2025年 ロイター)
Yoshifumi Takemoto
[東京 2日 ロイター] - 石破茂首相(自民党総裁)は2日、日本記者クラブ主催の党首討論会で、防衛費の対GDP比5%への増額は「(米国から要求は)出ていない」と述べ、対GDP比3.5%への引き上げも「日本が決めるべきで、外国から言われて『わかりました』と決めるものではない」と述べた。
共産党の田村智子委員長は石破首相に対し、トランプ米政権による防衛費の対国内総生産(GDP)比3.5%への増額要求について「軍事費と暮らしの予算」は両立しないとして見解をただした。これに対し首相は「日本を取り巻く安全保障環境を相当甘くみていないか」と反論した上で、「どうやって防衛力というものを整備していくかについて、国民の皆様にご理解をいただき、その部分を増額していくことが当然の国の責任だ」との認識を示した。
<米政策、国益を損なうものに妥協しないと首相>
日米関係についても、質問が相次いだ。参政党の神谷代表は、自民党政権がバイデン前政権のウクライナ支援などの政策に同調した一方で、トランプ政権が掲げる脱炭素見直しなどの政策に同調していないとし、トランプ政権の政策が長く続かないとみているためかと質問した。
石破首相はトランプ政権の政策について「日本の国益を損なうものに妥協することはない」と答えた。
日本の貿易黒字と米国の貿易赤字に関し石破首相は「今のままでよいとは言っていない」とし「日本の産業を守り、米国の雇用を産む、両方実現する」と強調した。
立憲民主党の野田佳彦代表は、日米関税交渉について「やったふり感は見えるが、ゴールはどんどん遠ざかっている」と批判した。
<野田氏、給付は「ばらまき」と批判>
野田氏は、自民党が公約で掲げた1人当たり2万円の給付について「財源は税収の上振れに頼っている。財源がはっきりしないのは、ばらまきではないか」と批判した。石破首相は財源は、税収の上振れ分で1兆5千億円から2兆円程度、税外収入で1兆円弱を見込んでいると説明し反論した。
石破首相は多くの野党が公約に掲げる消費税減税について、ばらまきに近いと批判した。野田氏は減税の財源は基金の余剰金などを活用すると説明した。
野田代表は外国人移民について神谷氏から意見を求められ、人材不足解消のために外国人に来てもらい、多文化共生社会を目指すと回答した。