トランプ氏「中国はイラン産石油購入可能」、制裁緩和を米高官否定

トランプ米大統領は24日、中国はイランから石油を今後も購入することができるとする一方で、米国からも「大量に」購入することを期待しているとの考えを示した。18日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[24日 ロイター] - トランプ米大統領は24日、自身の交流サイト(SNS)に「中国はイランから石油を購入し続けることができる。願わくば、米国からも大量に購入してほしい」と投稿した。
イスラエルとイランの紛争終結に向けて「完全かつ全面的な停戦」が発効すると表明した後に行われた。
ホワイトハウス高官はロイターに対し、制裁の緩和を示したものではないと説明。トランプ大統領はイランが今のところホルムズ海峡を封鎖しようとしていないことに注目しているほか、「米国の制裁に反してイラン産石油を輸入するのではなく、われわれの石油を輸入するよう、中国や全ての国に呼びかけ続けている」という。
元米中央情報局(CIA)幹部で現在はラピダン・エナジー・グループの最高経営責任者(CEO)を務めるスコット・モデル氏は、今後予定されている米・イラン核協議に先立ち、トランプ氏が制裁を撤回することはないだろうと指摘した。
トランプ大統領は1月に始まった2期目の早い段階で、核開発計画や中東全域の過激派組織への資金提供を巡ってイランに最大限の圧力をかけると表明。
イラン産原油の購入を理由に、中国の独立系製油所や港湾ターミナル運営会社などに一連の制裁を科していた。中国は米国の「違法な一方的制裁の乱用」に長年反対してきた。
イラン産原油に関する制裁の実際の解除には、財務省や国務省、議会による措置が必要となるが、トランプ政権には既存の制裁を執行しないという選択肢もあり、そうなれば世界市場への原油流入が増加する可能性がある。
中国などによるイラン産原油の大量購入は、世界最大の原油輸出国であり米国の同盟国であるサウジアラビアを動揺させる可能性がある。
ワシントンの中国大使館はコメント要請に直ちには応じなかった。