ニュース速報
ワールド

イスラエルとイランが停戦合意、トランプ氏「12日戦争の終結祝福」

2025年06月24日(火)10時45分

 6月23日、トランプ米大統領(写真)は、イスラエルとイランの間で停戦合意が成立したと明らかにした。6月21日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)

Kanishka Singh Andrew Mills Parisa Hafezi

[ワシントン/ドーハ/イスタンブール 24日 ロイター] - トランプ米大統領は23日、イスラエルとイランの紛争終結に向けて「完全かつ全面的な停戦」が発効すると表明した。

イラン当局者は停戦に同意したことを確認したが、イスラエルのコメントはまだ得られていない。

トランプ氏はイスラエルとイランが現在行っている任務を完了するまで一定の時間を与えられ、完了した時点で段階的に停戦が開始されると示唆した。

両国が「『12日戦争』を終わらせるための持久力と勇気、知性を示したことを祝福する」と自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。

一方、イランのアラグチ外相はイスラエルとの間で停戦に関する「合意」はないと発言。ただ、イスラエルがテヘラン時間24日午前4時(日本時間午前9時30分)までに「違法な侵略」を停止すれば、イランも反撃を続けるつもりはないと述べた。

その時間以降、イスラエルによるイランへの攻撃は報告されていない。

ホワイトハウス高官によると、トランプ氏がイスラエルのネタニヤフ首相との電話会談で仲介を行い、イランがさらなる攻撃を行わない限りイスラエルも攻撃しないことで合意したという。

イランについては、カタールのムハンマド首相が当局者との電話協議で合意を取り付けたと、協議について説明を受けた当局筋がロイターに明らかにした。トランプ氏はカタール首長に対し、イスラエルが停戦に同意したと伝えたという。

イランの国連代表部と在ワシントンのイスラエル大使館はロイターのコメント要請に応じていない。

<交戦は終結するのか>

ただ、現地ではまだ状況は落ち着いていないもようだ。イスラエル軍はイランの首都テヘラン周辺の住民に対し、23日遅くと24日未明に避難勧告を出した。イスラエル軍のラジオは24日未明、敵の航空機侵入の可能性によりゴラン高原南部地域で警報が発令されたと報じた。

トランプ氏はこの日、イランがカタールのアルウデイド米軍基地にミサイル攻撃を行ったことについて、事前通告により死傷者が出なかったとしてイランに謝意を表明。イスラエルに和平を働きかける考えを示していた。

今回のイラン側の対応は、米国やイスラエルとのこれまでの衝突と同様のもので、イランが軍事的対応で体面を保ちつつ、エスカレーションの連鎖を招かないようにしているとみられ、その目標は達成しつつあるようだ。

トランプ政権は、攻撃参加の目的がイランの核計画を破壊することだけで、戦争の拡大ではないと主張している。

市場は停戦合意のニュースを好感し、S&P500先物は0.4%上昇した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー大統領、米特使と会談 防空強化と武器調

ワールド

FRB議長、本部改修費用を巡り監察を要請 政権の批

ワールド

トランプ氏、ウクライナにパトリオット供与表明 対ロ

ワールド

ゼレンスキー氏、スビリデンコ第1副首相を新首相に指
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 2
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 7
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中