ウクライナ、二重国籍容認へ 戦争で悪化の人口危機緩和図る

ウクライナ議会は18日、国民が複数の国籍を保有できるようにする法律を承認した。キーウの祖国記念碑、18日撮影(2025年 ロイター/Thomas Peter)
[キエフ 18日 ロイター] - ウクライナ議会は18日、国民が複数の国籍を保有できるようにする法律を承認した。ロシアとの戦争で深刻化した人口減少に歯止めをかけ、外国に住むウクライナ人との関係強化を図る狙いがある。
これまでウクライナでは二重国籍や複数国籍は認められていなかった。そのため在外ウクライナ人がウクライナのパスポートを取得したい場合、他の国籍を放棄しなければならなかった。
政府の推計によると、国外に住むウクライナ人は約2500万人に上る。一方、現在のウクライナ国内の人口は3200万人で、旧ソ連崩壊後にウクライナが独立した1991年の5200万人から大幅に減少している。
2022年2月のロシアによる侵攻により人口減少に拍車がかかっており、複数国籍の問題は緊急性を増している。
議員らによると、新法は海外でウクライナ人の両親を持つ子どもや、結婚により他国の国籍を取得したウクライナ人に対する手続きを簡素化する。また、ウクライナのために戦場で戦う外国人がウクライナ国籍を取得することも容易になるという。