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トランプ米政権のDEI研究助成金停止、連邦地裁が差し止め判決

2025年06月17日(火)07時55分

 6月16日、米東部ボストンの連邦地方裁判所は、トランプ米政権が米国立衛生研究所(NIH)の多様性・公平性・包括性(DEI)に関連した研究への10億ドル超の助成金を打ち切ったことは「無効かつ違法だ」として差し止める判決を出した。写真は8日、メリーランド州ベセスダのNIHゲートウェイセンターで撮影(2025年 ロイター/Elizabeth Frantz)

[ボストン 16日 ロイター] - 米東部ボストンの連邦地方裁判所は16日、トランプ米政権が米国立衛生研究所(NIH)の多様性・公平性・包括性(DEI)に関連した研究への10億ドル超の助成金を打ち切ったことは「無効かつ違法だ」として差し止める判決を出した。

ウィリアム・ヤング判事は「これは人種差別であり、米国のLBGTQ(性的少数者)コミュニティーに対する差別だ」とし、「政府によるいかなる差別も誤っており、裁判所が適切なタイミングで差し止めることを必要とし、私がそれを実行する」と訴えた。

レーガン元大統領に指名されたヤング氏は、これまで約40年間にわたって判事を務めてきた中で「人種差別がこれほど明白な記録は見たことがない」とトランプ政権の姿勢を非難した。

NIHと上部組織の保健社会福祉省にそれぞれコメントを求めたが、即座には回答しなかった。

助成金受給者の代理人として提訴した米国自由人権協会のレイチェル・ミーロポル氏によると、訴訟の対象となっているのは数百件の助成金。原告には、公衆衛生研究者の会員組織である米国公衆衛生協会と、ボストンがあるマサチューセッツ州など16州が含まれている。

ロイター
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