イスラエル・イラン攻撃応酬で原油高騰、身構える投資家

6月15日、イスラエルとイランの攻撃応酬により中東情勢が一段と悪化するとの懸念から北海ブレント先物は一時4%近く上昇し、S&P総合500種先物は同日の夜間取引が小幅安で始まるなど、投資家は身構えている。仏トリゲールで2024年6月撮影(2025年 ロイター/Benoit Tessier)
[ニューヨーク/グダニスク 15日 ロイター] - イスラエルとイランの攻撃応酬により中東情勢が一段と悪化するとの懸念から15日の北海ブレント先物は一時4%近く上昇し、S&P総合500種先物は同日の夜間取引が小幅安で始まるなど、投資家は身構えている。
ストーンXグループのチーフ市場ストラテジスト、カスリン・ルーニー・ベラ氏は「市場は報道に大きく左右され、短期的な動きに焦点を絞った態勢になっている。このため目先は変動が激しくなるだろう」と述べた。
サウンド・インカム・ストラテジーズのポートフォリオマネジャー、エリック・ベイリッチ氏は「イスラエルはイランの天然ガス処理施設を攻撃したが、現時点でイランの石油輸出施設は攻撃していない点に注目すべきだ」と指摘。ただ今後の動きは「大きく変わる可能性がある」と語った。
ストーンXグループのルーニー・ベラ氏は、ホルムズ海峡が閉鎖された場合に供給が制約される可能性について心配していると話した。同海峡が閉鎖されれば貿易は制限され、世界の石油価格に影響する恐れがある。「それによってインフレ圧力が悪化する可能性がある」と語った。
一方、クレセット・キャピタルの最高投資責任者、ジャック・アブリン氏は「株式市場は、イラン軍の攻撃力が一部で心配されていたほどのレベルでなかったことに若干安心するだろう」と述べた。だが、トランプ大統領の政策運営に反対して米国各地で「王はいらない」をスローガンに掲げるデモ活動や、ミネソタ州での州議会議員銃撃事件が市場心理を悪化させていると付け加えた。