インドの5月物価上昇2%台に鈍化 4カ月連続で中銀目標下回る

インド政府が12日発表した5月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比の上昇率は2.82%だった。写真はアムリトサルのスーパーで5月撮影(2025年 ロイター/Francis Mascarenhas)
[ニューデリー 12日 ロイター] - インド政府が12日発表した5月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比の上昇率は2.82%だった。4月の3.16%から鈍化した。食品価格の上昇が鈍化したことが要因で、ロイターがまとめたエコノミスト予想の3%も下回った。インド準備銀行(中央銀行)が目標とする4%を下回るのは、4カ月連続となる。
HDFC銀行のエコノミスト、サクシ・グプタ氏は「堅調な農産品供給に支えられ、ここ数カ月間で見られたインフレ鈍化傾向がさらに裏付けられた。次回も3%前後になるだろう」と述べた。
消費財の半分近くを占める食品価格の上昇率は0.99%と4月の1.78%から鈍化。2021年10月以来の低水準だった。穀物の上昇率が4.77%と、4月の5.35%から鈍化。野菜は13.7%下落し、4月の11%程度から下落率が拡大した。豆類も8.22%下落し、4月の5.23%から下落率が広がった。
2人のエコノミストによると、食品やエネルギーといった変動が大きい品目を除いたコアインフレ率は4.17―4.20%。4月は4─4.1%だった。
インド中銀は先週、主要政策金利のレポレートを50ベーシスポイント(bp)引き下げた。市場予想を上回る利下げ幅だった。世界経済に不透明感が高まり、経済成長を後押しするためだとした。一部のエコノミストは、インフレ率が低迷すれば、追加利下げの余地があると見ている。