米国立衛生研の研究者らがトランプ氏の予算削減に抗議

6月9日、米国立衛生研究所(NIH)の科学者、研究者、その他職員は、トランプ米政権による大規模な予算削減について、米国民や世界中の人々の健康を損なうほか、研究を政治化し「公的資源を浪費する」と書簡で批判した。写真はNIH施設。メリーランド州ベセスダで8日撮影(2025年 ロイター/Elizabeth Frantz)
[9日 ロイター] - 米国立衛生研究所(NIH)の科学者、研究者、その他職員は9日、トランプ米政権による大規模な予算削減について、米国民や世界中の人々の健康を損なうほか、研究を政治化し「公的資源を浪費する」と書簡で批判した。
書簡は、トランプ氏が1月20日に大統領に就任以降、総額約95億ドルに上る2100件の研究助成金と、さらに26億ドルの契約が打ち切られたと指摘した。
その上で、これらの打ち切りは「何年にもわたる努力と数百万ドルを無駄にし」、患者の健康を危険にさらすと説明。NIHの臨床試験は「参加者の安全を顧みずに中断され、薬の投与が突然停止されたり、監視されていない医療機器が体内に残されたままになったりしている」という。
書簡はNIHのジェイ・バタチャリヤ所長やケネディ厚生長官ら宛てで、バタチャリヤ氏は10日、上院でNIH予算について証言する予定だ。
現職および最近解雇されたNIH職員340人超がこの書簡に署名し、そのうち約250人は匿名だった。