米政権、半導体助成金の一部打ち切りも=商務長官

6月4日、トランプ米政権のラトニック商務長官は議会上院歳出委員会の公聴会で、バイデン前政権が「CHIPS・科学法」に基づいて半導体企業に与えた助成金を見直しているとし、一部を打ち切る可能性を明らかにした。写真はサーキットボードのイメージ。2022年2月撮影(2025年 ロイター/Florence Lo)
[ワシントン 4日 ロイター] - トランプ米政権のラトニック商務長官は4日の議会上院歳出委員会の公聴会で、バイデン前政権が「CHIPS・科学法」に基づいて半導体企業に与えた助成金を見直しているとし、一部を打ち切る可能性を明らかにした。
ラトニック氏は、バイデン前政権が支給を決めた助成金の中には「過度に寛大に見えるものもあり、それらを見直すことができた」と語り、助成金の見直しを通じて米国の納税者に恩恵をもたらすことを目指していると説明。「まだ成立していない合意はそもそも成立すべきではなかった」として助成金の一部を打ち切ることを示唆した。
バイデン前大統領は2022年にCHIPS・科学法に署名して成立させ、総額527億ドルを投じて米国内での半導体の製造と研究を促進するとしてアジアから半導体メーカーを誘致した。助成金には半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)、韓国のサムスン電子とSKハイニックス、米インテルやマイクロン・テクノロジーなどに対する数十億ドル規模の支給が含まれている。
しかし、バイデン氏が退任した段階で支給が始まったばかりだった。これらの計画の詳細は公表されていないが、各企業が約束した米国での工場増強の進捗状況に応じて支給されることになっている。
ラトニック氏は一例として、60億ドルの助成金を出すことが決まっていたTSMCとの再交渉を指摘。米国での投資額を当初予定していた650億ドルから1000億ドル上積みしたとして「私たちは同じ60億ドルの(政府)助成金で修正することができた」と誇示した。
TSMCは3月に米国での1000億ドルの追加投資を発表したが、それがCHIPS・科学法の助成金を巡る再交渉の一環であるかどうかは直ちに分からなかった。TSMCはコメント要請にすぐには応じなかった。