米地裁、強制送還移民に異議申し立て認める 敵性外国人法適用巡り

6月4日、トランプ米政権によって敵性外国人法に基づいてエルサルバドルに送還された数百人のベネズエラ移民について、首都ワシントンの連邦地裁は異議申し立ての機会を与える必要があり、トランプ政権に1週間でそのための手続きを講じるよう求めた。写真は犯罪組織メンバーだとして強制送還される移民を護送する米軍。4月、エルサルバドル国際空港で撮影。提供写真(2025年 ロイター/Secretaria de Prensa de la Presidencia)
Luc Cohen
[ニューヨーク 4日 ロイター] - トランプ米政権によって敵性外国人法に基づいてエルサルバドルに送還された数百人のベネズエラ移民について、首都ワシントンの連邦地裁は4日、異議申し立ての機会を与える必要があり、トランプ政権に1週間でそのための手続きを講じるよう求めた。
判事は、これらの移民は正当な通知を受けないか、異議申し立ての権利を与えられずに送還されたと指摘。そうした手続きなしでは、政府が路上で誰でも拘束し、外国に送り込んで、いかなる是正措置を事実上排除できることになり、直ちに手続きができるようにすべきとの見解を示した。
ホワイトハウスと司法省はコメント要請に回答していない。
連邦最高裁は4月、敵性外国人法を適用した強制送還に不法移民が異議を申し立てることを認める判断を下した。米国の各地の裁判所はそれ以降、政権がベネズエラの犯罪組織メンバーとされる移民を新たに送還するのを禁じる命令を出している。
既にエルサルバドルに送還されたベネズエラ出身移民の問題に対応する判決は今回が初めて。