EU、重要鉱物供給強化へ新規案件選定 グリーランド含む13件

欧州連合(EU)欧州委員会は4日、「重要原材料法(CRMA)」に基づくEU域外での13件の重要鉱物に関連する新規プロジェクトを発表した。写真はグリーンランドで2月撮影(2025年 ロイター/Sarah Meyssonnier)
[パリ 4日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は4日、「重要原材料法(CRMA)」に基づくEU域外での13件の重要鉱物に関連する新規プロジェクトを発表した。エネルギーの転換や防衛・航空宇宙分野で競争力を維持するために欠かせない金属や鉱物の供給体制を強化することを目指す。米国が所有に意欲を示し、EUとの間で懸案となっているグリーンランドにおける案件も含まれている。
これに先立ち、EU内のプロジェクト47件を3月に発表しており、総数は60件となった。
欧州委のセジュルネ委員(産業担当)は記者団に「中国など特定の国への依存を減らさなければならない」と述べた。中国は4月、レアアース磁石を輸出する際に政府の許可取得を義務付ける新たな規制を導入している。
新規案件のうち10件は、電気自動車(EV)のバッテリーなどに使われるリチウムやコバルトなどに焦点を当てている。マラウイと南アフリカでのレアアース関連の案件も含まれる。
英国でのタングステンや、ウクライナとグリーンランドでのグラファイトも盛り込まれた。
セルビアでのリチウムのプロジェクトは資源大手リオ・ティントが担い、欧州の関連需要の90%を賄える可能性がある。ただ、環境への懸念から地元では反対の声も多い。
EUは、これらのプロジェクトには総額55億ユーロ(約63億ドル)の投資が必要だとしている。欧州委やEU加盟国、貸付機関から財政支援を見込んでいる。
2023年に合意に達したCRMAでは、30年までに需要量の10%を採掘、40%を加工、25%をリサイクルするとの目標を掲げている。