豪最低賃金3.5%引き上げ、実質賃金底上げ

オーストラリアの独立機関である公正労働委員会は3日、7月1日付で全国最低賃金を引き上げ、従来よりも3.5%高い時給24.94豪ドル(約16.19米ドル)にすると発表した。写真はシドニーで2017年撮影(2025年 ロイター//Steven Saphore)
Renju Jose Stella Qiu
[シドニー 3日 ロイター] - オーストラリアの独立機関である公正労働委員会は3日、7月1日付で全国最低賃金を引き上げ、従来よりも3.5%高い時給24.94豪ドル(約16.19米ドル)にすると発表した。
フルタイム従業員にとって年間1670豪ドルの追加収入となる。
年次報告書によると、労働力全体の5分の1に相当する約260万人が最低賃金で働いている。インフレ圧力は鈍化しており、そうした層には実質賃金の底上げとなる。
第1・四半期の消費者物価指数(CPI)上昇率は総合ベースで2.4%と、オーストラリア準備銀行(RBA)の目標の2―3%の範囲内にとどまり、2022年後半に記録したピークの7.8%から大きく鈍化している。
公正労働委のアダム・ハッチャー委員長は今回の決定について、過去数年の生活費高騰で失われた実質収入を取り戻す助けになる可能性があると表明した。
公正労働委は昨年、最低賃金を3.75%引き上げたが、インフレ率におおむね沿った水準だった。
オーストラリア労働組合会議(ACTU)は、最低賃金で働く労働者にとって「素晴らしい結果」だと表明した。
RBAは先月、インフレ鈍化を背景に政策金利を2年ぶりの低水準に引き下げた。労働市場は堅調で、失業率は過去1年以上にわたり4.1%を維持している。