イスラエル軍が外交団に警告射撃、ヨルダン川西岸 各国が非難

イスラエル軍は21日、占領地ヨルダン川西岸地区を視察していた外交使節団が承認されたルートから外れたとして、警告射撃を行ったと発表した。イスラエル・ガザ国境付近で20日撮影(2025年 ロイター/Amir Cohen)
[エルサレム/パリ/ベルリン/アンカラ 21日 ロイター] - イスラエル軍は21日、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸ジェニンを視察していた外交使節団が承認されたルートから外れたとして、警告射撃を行ったと発表した。負傷者は報告されていない。
外交筋によると、使節団には欧州連合(EU)の外交官らが含まれていたほか、日本の外交官が参加していたという情報もある。
イスラエル軍は「使節団が承認されたルートから逸脱し、立ち入りが許可されていない地域に入った」とし、兵士が「同地域から離れるよう、警告射撃を行った」と説明した。
EUのカラス外交安全保障上級代表(外相)は「今回の事件を調査し、外交官の命に対するあらゆる脅威について責任を問うようイスラエルに断固として求める」と述べた。
視察はパレスチナ自治政府が企画したものという。
パレスチナ自治政府は「代表団は人道状況を視察し、イスラエルによる継続的な違反行為を記録するための公式任務にあたっていた」とし、イスラエル軍の行動は国際法違反だと非難した。
外交団に参加していた各国もイスラエルを非難。イタリアとフランスはイスラエル大使を呼び出し説明を求めると表明したほか、スペイン、ドイツ、トルコなどもイスラエルに説明を求めるほか、対応を調整する姿勢を示した。
イスラエルのテレビ局は、遠くから銃声が聞こえる中、外交ナンバープレートが付いた車両に向かって複数の人が走っていく映像を放映した。