ブラジル中銀、経済指標に基づいて政策金利を決定へ=総裁

ブラジル中央銀行のガリポロ総裁は5月19日、先行きの不確実性が高まっている中で政策の先行き見通し(フォワードガイダンス)を出すことを見送り、経済指標に基づいて金融政策を厳格に決めていく方針を示した。写真は2024年12月に撮影した中銀の外観(2025年 ロイター/Adriano Machado)
[ブラジリア 19日 ロイター] - ブラジル中央銀行のガリポロ総裁は19日、先行きの不確実性が高まっている中で政策の先行き見通し(フォワードガイダンス)を出すことを見送り、経済指標に基づいて金融政策を厳格に決めていく方針を示した。また、利下げ開始時期を予想するのは時期尚早だとも説明した。
サンパウロで開催された米金融大手ゴールドマン・サックスのイベントで語った。ガリポロ氏は「私たちはデータの消化を通じて信頼を築く必要がある」と言及した。
市場は、高インフレを受けて積極的に利上げを進めてきた中銀が利下げに転じる兆候が出てくるのかを注視している。ガリポロ氏はそのことを認識しているとしながらも、中銀がそのようなシグナルを出すつもりはないとして、「インフレ期待は依然として固定されておらず、私たちが直面している状況を考えると、金利を通常より長く制約的な領域に維持することは理にかなっている」と語った。
中銀は今月7日の金融政策委員会(COPOM)で政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げ、20年弱ぶりの高水準となる14.75%にすることを決めた。
ガリポロ氏は、インフレのリスクバランスが以前ほど不均衡ではなくなったことを委員全員が同意しているとした一方で、「よりばらつくようになった」と指摘。その上で「中銀がコミュニケーションを取る唯一の方法は、(インフレ)目標を追求する明確な意志を示し、必要な限り金利を十分制約的に保つのを明確に表明することだ」と訴えた。