米最高裁、ベネズエラ移民の保護資格打ち切るトランプ政権の方針容認

米連邦最高裁判所は5月19日、数十万人に上るベネズエラからの移民に与えられていた「一時保護資格(TPS)」適用を打ち切るトランプ政権の方針を認める判断を示した。写真は米国から強制送還されたベネズエラ人移民ら。4月23日、ベネズエラのシモン・ボリバル国際空港で撮影(2025年 ロイター/Leonardo Fernandez Viloria)
[19日 ロイター] - 米連邦最高裁判所は19日、数十万人に上るベネズエラからの移民に与えられていた「一時保護資格(TPS)」適用を打ち切るトランプ政権の方針を認める判断を示した。
TPSは、自然災害や戦争などから逃れてきた人々に米国滞在と労働の権利を付与する制度で、適用対象国が指定される。バイデン前政権は2021年と23年にベネズエラを対象国に指定し、トランプ大統領の2期目就任直前に26年10月まで期限を延長した。
ただ指定見直しの権限を持つ国土安全保障省のノーム長官は、期限延長を撤回してベネズエラ移民への適用を解除する措置を講じたため、TPSの適用者や支援団体などが異議を申し立てて提訴。下級審は国土安全保障省に措置の一時差し止めを命じ、これを不服とした同省が最高裁に上告していた。
こうした中で最高裁は、国土安全保障省の措置に関して司法の結論が出るまでは、TPS延長撤回の差し止めを解除するとした。
国土安全保障省によると、23年の指定に基づいてTPSが適用されたベネズエラ移民は約34万8202人。こうした人々の間では、強制送還されることへの不安や恐れが広がっている。