豪首相が2期目初外遊、インドネシア大統領と会談 防衛協力巡り

5月15日、オーストラリアのアルバニージー首相(右)は、総選挙勝利を受けた政権2期目初の外遊先となったインドネシアでプラボウォ大統領(左)と会談し、防衛協力や世界貿易を巡って話し合った。ジャカルタのムルデカ宮殿で15日撮影(2025年 ロイター/Ajeng Dinar Ulfiana)
Ananda Teresia Kirsty Needham
[ジャカルタ 15日 ロイター] - オーストラリアのアルバニージー首相は15日、総選挙勝利を受けた政権2期目初の外遊先となったインドネシアでプラボウォ大統領と会談し、防衛協力や世界貿易を巡って話し合った。
会談冒頭には「インドネシアはオーストラリアにとってかけがえのないパートナーだ」と発言。今回の訪問は豪州がインドネシアとの防衛・経済関係を重視していることを示すものだと述べた。
プラボウォ氏は、今回の会談は「2国間、地域間、さらには世界的な状況におけるわれわれのエンゲージメントと協力を強化する」機会であり、関係は「強固」だと語った。
これに先立ち、アルバニージー氏は記者団に対し、オーストラリアは防衛関係を強化し、投資拡大によって経済パートナーシップを築きたいと説明。14日夜にはプラボウォ氏と予定外の非公式会談も行われ、関係の深さを示せたとも述べた。
オーストラリア戦略政策研究所の防衛担当シニアアナリスト、ユアン・グラハム氏は、豪インドネシア関係は「10年以上にわたって深刻な危機を回避しているほか、協力は徐々に前進を続けており、これまで以上の安定感がある」と話す。
しかし、大きな相違も残っているという。
「インドネシアは中国とロシアを脅威というよりむしろ好機と捉え、米国と中国を主に大国間対立という同じレンズを通して見ている。それは豪州の世界観とは大きく食い違う」と指摘する。