イスラエルの新たなガザ人道支援案、国連が非難 民間企業が輸送

5月13日、国連人道問題・緊急援助責任者のトム・フレッチャー氏は、イスラエルが主導して米国が支援するパレスチナ自治区ガザへの人道援助配給計画について、戦争で荒廃したガザの市民に対する「さらなる暴力と強制退去を覆い隠すためのもの」だと批判した。ジュネーブで昨年12月撮影(2025年 ロイター/Denis Balibouse)
Michelle Nichols
[国連 13日 ロイター] - 国連人道問題・緊急援助責任者のトム・フレッチャー氏は13日、イスラエルが主導して米国が支援するパレスチナ自治区ガザへの人道援助配給計画について、戦争で荒廃したガザの市民に対する「さらなる暴力と強制退去を覆い隠すためのもの」だと批判した。
フレッチャー氏は安全保障理事会で、この計画を「皮肉な余興」だと断じ、「援助がハマスではなく民間人に確実に届くよう、厳格な仕組みを整えている。しかし、イスラエルは民間人の命よりガザの人口を減らすことを優先し、われわれのアクセスを拒否している」と主張した。
3月2日以来、ガザには人道援助が届いておらず、世界的な監視団はガザ人口の25%に当たる50万人が飢餓に直面していると警告している。
イスラエルは先週、民間企業がガザ南部での援助物資の受け渡しを引き継ぐことを提案。援助物資の輸送はこれまで国際援助団体や国連機関が行ってきた。
国連は、援助物資の配布は人道主義に則り独立、公平、中立でなければならないとし、グテレス事務総長もイスラエルのこうした提案を拒否する考えを表明している。
一方、イスラエルのダノン国連大使は安保理で「旧態依然とした壊れた制度を放置しておくことは許さない」と述べた。