トルコ経済に悪影響、イスタンブール市長逮捕で=EBRDチーフエコノミスト

欧州復興開発銀行(EBRD)のチーフエコノミスト、ベアタ・ヤボルチク氏がロイターの取材に応じ、トルコのエルドアン大統領の政敵、イスタンブール市長エクレム・イマモール氏の逮捕がトルコ経済や外貨準備高に悪影響が及ぼしたとの懸念を示した。写真はイスタンブールの店先、4月撮影(2025年 ロイター/Umit Bektas)
[ロンドン 13日 ロイター] - 欧州復興開発銀行(EBRD)のチーフエコノミスト、ベアタ・ヤボルチク氏がロイターの取材に応じ、トルコのエルドアン大統領の政敵、イスタンブール市長エクレム・イマモール氏の逮捕がトルコ経済や外貨準備高に悪影響が及ぼしたとの懸念を示した。
イマモール氏の逮捕は3月19日。トルコリラが急落し市場は混乱状態に陥った。これを受け、中央銀行は4月、予想外の利上げを断行し年初から始まった金融緩和サイクルに終止符を打った。
トルコはかつて激しいインフレに悩まされ、昨年5月にはピークとなる75%上昇を記録した。ヤボルチク氏は、その後は「緩やかながら着実に」インフレ沈静化への道筋を歩んでいたと指摘。「この道筋に沿って利下げが可能となってきたものの、こうしたプロセスが最近の政治的出来事で止まってしまった。この出来事で混乱が起こり、中銀は方向転換を余儀なくされた」と話した。この結果、利上げに転じたことで景気回復にブレーキがかかったという。
ヤボルチク氏は「こうしたことは、経済成長の鈍化と外貨準備高の減少、国際的評価の低下といった代償を伴い、投資家の信頼を損ねることになっている」と言い切った。