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ゼレンスキー氏「ロシアは攻撃継続」、直接協議案に「奇妙な沈黙」

2025年05月13日(火)03時56分

By Tom Balmforth

[キーウ 12日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、ロシアはウクライナに対する攻撃を続けており、トルコで週内に直接協議を行うという提案に対しても「奇妙な沈黙」を保ったまま、何の反応も示していないと述べた。

ゼレンスキー氏は恒例の夜のビデオ演説で「ロシアによる攻撃は続いている」とし、「ロシアは直接会談の提案についても、何の反応も示していない。極めて奇妙な沈黙だ」と述べた。

ロシアのプーチン大統領は11日、ウクライナとの直接協議を15日にトルコのイスタンブールで行うことを提案。これに対しトランプ米大統領は12日、同協議に参加する可能性を示唆した。

ゼレンスキー氏は、トランプ大統領は15日に予定されている協議を支持していると改めて指摘した上で、「トランプ大統領がトルコに来る機会を見出すことを望んでいる」と述べた。

これに先立ち、ウクライナのシビハ外相はこの日、ウクライナと欧州諸国が提案した30日間の停戦をロシアが「完全に無視」していると述べていた。

ウクライナと英、仏、独、ポーランドの首脳は10日、5月12日から無条件の30日の停戦で合意したと発表。トランプ米大統領も同意したとし、ロシアに対し、停戦に違反すれば「大規模な」追加制裁を科すと警告した。

シビハ外相は、ロンドンで会合を開いている欧州各国の閣僚と、ロシアに対して取る可能性のある措置について協議したと述べた。ロシアの銀行やエネルギー部門のほか、ロシア中央銀行に対する新たな制裁措置などが含まれるという。

また、欧州各国の外相のほか、ルビオ米国務長官と合同電話会談を行い、和平交渉における次のステップについて協議したと明らかにした。

これに先立ち、ウクライナ当局は、ロシアが欧州とウクライナによる停戦案に応じず、夜間にドローン(無人機)を100機以上発射するなど、12日にも攻撃を継続したと明らかにした。

ウクライナ空軍は12日朝の報告で、停戦案発効時間の1時間前となる11日午後11時(日本時間12日午前5時)から108機の長距離戦闘ドローンによる攻撃を受けたと明らかにした。こうしたドローン攻撃は数時間かけて展開される。

12日午前8時30分現在、東部、北部、南部、中部で55機のドローンを撃墜。また、北東部ハリコフ州と北部スムイ州の標的にロシアが誘導爆弾を発射したという。

南部オデーサ(オデッサ)州では、知事によると小さな港湾都市に夜間のドローン攻撃があり、女性1人が負傷した。

ウクライナの鉄道会社によると、東部の民間貨物列車をロシアのドローンが攻撃。運転士が負傷したが、命に別状はないという。

ロイター
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