米下院特別委、ロ軍への中国人兵参加問題で国務省に説明要請

4月30日、中国共産党に関する米下院特別委員会はルビオ米国務長官宛てに書簡を送り、ウクライナで戦闘を続けているロシア軍に中国人兵士が見つかった問題について国務省に説明を要請した。パリで17日撮影(2025年 ロイター/JULIEN DE ROSA/Pool via REUTERS)
[ワシントン 30日 ロイター] - 中国共産党に関する米下院特別委員会は4月30日、ルビオ米国務長官宛てに書簡を送り、ウクライナで戦闘を続けているロシア軍に中国人兵士が見つかった問題について国務省に説明を要請した。ロイターが書簡を確認した。
ウクライナは今月、同国東部の戦場で中国人2人を捕虜にしたと発表するとともに、少なくとも155人の中国国籍の兵士がロシア軍に属していると明らかにした。
複数の米政府高官はロイターに対してこの情報が正しいと認めたが、これらの兵士は傭兵で中国政府との直接のつながりはないとの見方を示した。
ただ、書簡は「中国共産党が中国社会を統制している以上、ロシア軍による中国人の募兵活動は少なくとも共産党の黙認がない限り実行できないはずだ」と指摘。国務省にこの問題で米政府がどのような姿勢を示し、どう対応するのか議会に示すよう求めた。
米議会の対中強硬派は、トランプ政権がロシアと足並みをそろえる中国に重圧をかけることを期待している。
下院特別委のムーレナー委員長(共和党)と民主党トップのクリシュナムルティ議員は、ウクライナに中国人兵士がいたことは中ロの結びつきが深まっている証拠だとの見解を示した。
クリシュナムルティ氏はロイター宛ての別の声明で、トランプ政権は中国政府に対して、すぐに自国民をウクライナの戦場から退去させるよう要求し、ロシアへの幅広い軍事および軍民両用の支援に関する責任を追及するべきだと訴えた。
中国は公式には、ロシアとウクライナの戦争においては停戦交渉をあっせんする中立的立場を貫いている。
しかし、ムーレナー氏は中国がウクライナでの戦闘で「中立的な行動者ではない」と断言した。